泉谷しげる『REAL TIME』を聴く


これをよく聴いていたのは、高校の頃だったか大学に入ってからだったか。
アナログ再生環境を撤去してしまって聴くことができなくなってたんだけれども、ふとこのアルバムのことを思い出したら無性に聴きたくなった。
とっくの昔に廃盤なのでヤフオクで物色したら、簡単に見つかった。
忙しかったので、入手後しばらく放ってあったのを、ようやく聴く。
83年のライブ。


おお、やっぱり今聴いてもかっこいい。古くなってない。
鈴木さえ子のドラム、素晴らしい。ギターは柴山兄弟、ベース吉田健。演奏は完璧。
鈴木さえ子、今何やってんのかな。


泉谷しげるというと、世間的には、初期のフォークの頃と、80年代終わり頃(?)からの、あの何とかいうバンド(なんだっけ、ポンタと吉田健と下山淳とチャボのやつ)ばかりが評価されてるようだけれども、(て言うか、世間的には単なるタレント、か)、個人的には、この80年代前半頃の、まーったく売れてなかった時期が最盛期だと思っている。
泉谷は不細工だし歌も下手だし、音楽のこともあまりわかってなさそうだけれども、曲が個性的で、何より詞がすごい。で、たぶん、コンセプトメーカーとして非常に優秀なんだろうと思う。
ただ、そのコンセプトをちゃんと形にするための、理解力と演奏力に優れたバンドが必要で、それがいちばん充実してるのがこの『REAL TIME』ではないか、と。
いや、そんなにいろいろ聴いたことないんだけど、泉谷。



それにしても、詞がやたらとかっこいい。
「火力の雨降る街角 謎の砂嵐にまかれて 足とられ ヤクザいらつく 午後の地獄 ふざけた街にこそ家族が居る……」って、意味全然わかんないけど、すげえ2枚目。現代詩みたい。
当時、泉谷は30代か?
絵も上手いんだよな、確か、泉谷。