Quiet Life / JAPAN も聴き直す


これも確実に20年は聴いてなかったと思う。
けど、正直これはちょっと期待はずれ。
曲は確かにいいんだけど、リズムが平坦で軽い。
もっとずっとデカダン耽美派な感じの印象だったんだけど、全然ポップだな、今聴くと。


やっぱり元祖ビジュアル系だ、これ。
近年の日本のビジュアル系バンドの美意識の原型の一部が、ここには確実にある。


この次の『Gentlemen Take Polaroids』からラストアルバムの『Tin Drum』、その後のソロへと、どんどん内省的な方向へ進んでいったように、もともとデビッド・シルビアンはライブが嫌いな引きこもりキャラだ。
でも、この当時の JAPAN は、日本においては絶大なアイドル人気を誇った。
ライナーに引用されている、サウンズ誌の80年のレビューがおもしろい。
ステージに向かって手を伸ばし絶叫する1万人の女の子に囲まれながら武道館で JAPAN を観るという不思議な体験を書いている。
こんな偏執的で暗いバンドが、ベイ・シティ・ローラーズみたいにキャーキャー騒がれてるのは、当然日本だけの現象だったわけで、そりゃびっくりするわな。
A thinking man's band that brings out the screamers? だって。
Japan the band, like Japan the country, is full of contradiction. とも。


今回のこの再発には、ボーナストラックの他、「Quiet Life」のビデオも収録されているんだけれども、うちのプレーヤーではうまく再生できない。
輸入盤だから? リージョンコードってやつ?
くそー、絶対おもしろいと思うんだけどなー、ビデオ。