ピアノの発表会


今日は息子のピアノの発表会。
午後半日、4時間にわたってひたすら子どもたちのピアノを聴く。
一部、フルートやサックス、ドラムなんかもあったけど。
今年で2回目の参加になる。


幼稚園〜小学生だけで50人くらい。
ちっちゃいのから学年順に出るけれども、同学年内での出演順は、「下手な順」である。
いや、下手っつっちゃいけないのか。それぞれ当然ピアノを始めた時期も違うけれども、要するに、レベルの高い子ほど学年内での出順は後になる。
なかなかシビアだけれども、観る方としてはわかりやすくてよい。


うちの息子は、小2が13人いる中で9番目の出順。
去年は確かちょうど真ん中くらいだったので、意外にも成長したのかとも思ったが、新しい子がたくさん入ってきただけかもしれない。
動物モノのメドレーを弾いた。
アイアイ、キリンがどうのこうのっていう曲、森のくまさん、とつなぐ。
(息子にとっては)それなりの難度であるが、つまらない曲だ。
家で練習しているときは、見ていてイライラするくらいいい加減でダラダラしてて、「弾きゃあいいんだろ、弾きゃあ」みたいな弾きっぷりなので、間違えずに弾けるのは3回に1回くらいだったが、教室では比較的ちゃんと弾くらしい。
今日の本番も、会場入りした時は、「緊張してきた」とか言っていたが、珍しく慎重な弾き方で、どうにか無事クリアした。


息子以外の楽しみは、去年も見た天才兄妹だ。
田舎のピアノ教室でも、50人いると、1人や2人はこういうのがいるのだろうと思った。
去年は兄が小3、妹が小1。もちろん今年は1つずつ学年が上がっている。
妹の方は、うちの息子と同い年で、その学年のトリをつとめる。
曲目は、兄の方が「ウォータールーの戦い」、妹が「荒野のバラ」。
いずれも16分(ぶ)の速いパッセージがある難曲だ。少なくとも小学生にとっては。


去年は兄の方に驚いたけれども、今年は妹が凄かった。
兄は、ちょっと「弾かされてる」感が出てきた。
子どものくせにとにかくやたらとよく指がまわるので、それを見ているだけで十分迫力はあるが、なんちゅうか、お仕事的な印象が強く、あれ?ピアノ嫌いになってきたかな?って感じ。
まあ曲も複雑だから、子どもには感情移入しにくいのかもしれません。


妹の「荒野のバラ」は、ほぼ完璧。
テンポはさすがにちょっと揺れるけれども、小2にして曲想の理解ができてるっていうのが凄い。
強弱のニュアンスとか、とても子どもとは思えん。
息子の友だちとその親が会場に見に来てくれていたのだけれども、この子の演奏を見たときは目が点になっていた。


どうやったらここまで差ができるんだろうか(笑)。
才能が違うのは間違いない。
音楽の才能は残酷だ。
しかし、この年齢でここまで持ってこようと思ったら、環境や教育も必要なはずである。
恐らく親も家でしょっちゅうピアノを弾いているのではないか、とか、テレビの代わりにクラシック聴いてるんじゃないか、とか、いろいろ仮説を立てる。


でも、そもそも、本当に才能のある子は、きっかけさえ与えれば、自分からどんどん食いついてきて、積極的に練習したがるものなんじゃないかと思う。
て言うか、それができるのが「才能」だろう。
結局はそれに尽きるのかもしれない。
逆に言うと、親がいくら強制しても、ダメなものはダメだ。
うちの息子のように、ピアノの前に座らせると途端にだらだらになって、眠いフリを始めるような子どもが、ハナから論外であるのは言うまでもない。