開封後の豆腐における過度の保冷対策について


前回のコメント欄の続きで、標記の件について私見を述べる。


現実問題として、開封後、食いかけて残した豆腐をそのまま冷蔵庫に突っ込んでおくと、確かに冷えすぎる。
これは実感として間違いなく、揺るぎ難い事実である。


ショーエは水に浸せと言う。
水は空気に比べて熱伝導性が低く、よって冷蔵庫内の冷気の影響を緩和するはずである、というのがその理路であると理解している。
砂漠の比喩も秀逸だ。
その論理は非常によくわかるし、説得的である。


しかし、それは逆に考えると、いったん冷え切ってしまった水は、その冷たさを執拗にキープしてしまうということでもあるはずだ。
実際問題、豆腐を浸す程度の分量の水であれば、仮に昼食後に冷蔵庫に入れると、夕食時にはもう完全に冷え切っている。
これは逆効果なのではないかという疑念を払拭しきれない。


開封の豆腐が冷蔵庫内においても比較的適温で保冷され得るのは、それが水に浸っているからと言うよりも、密封されているからであると思われる。
密封されているが故にパッケージ内で豆腐を包む水が庫内の冷気の影響を受けにくく、それ故、本来熱伝導性の低い水が、豆腐を過度に冷やされることから保護しているのではないか。


従って、ショーエの提案において重要なのは、「水」よりもむしろ「蓋」ではないかと思われるがどうか。
熱伝導性の低い水に浸した上で、その水が庫内の冷気に直接触れることのないよう、密封が可能な容器によって遮断する。
これは試みる価値が、確かにあると思われる。


確かに我が家では、食べかけの豆腐は、元のパックの上面のビニールがだらしなくめくれ上がった状態で、何の工夫もなくそのまま冷蔵庫に突っ込まれるのみである。
冷気をダイレクトに受ける上、浅く水にも浸かっている。
これは最悪の条件なのかもしれない。


ushiro は、冷蔵庫の設定温度が低すぎるのではないかという、実に大胆かつラディカルな提言である。
この意外な切り口には少なからずハッとさせられ、すぐに我が家の冷蔵庫の状況を確認したが、結果は、「弱」と「中」の丁度真ん中くらいであった。
考えてみれば、ぼくはもともと何でも冷えすぎるのが嫌いなタチであり、愚妻は電気代にもケチケチするタチである。
拙宅の冷蔵庫の温度が低めに設定される可能性は限りなく低い。


結論としては、豆腐を水に浸す。そして、その水が極力空気に接触しないよう、密封状態でパッケージングする。パッケージの中には、可能な限り空気を入れない。
理想的には、パッケージ内を真空化したい。
これが最善の方法ではないだろうか。


反論を乞う。


ただし、現実的な問題として、食いかけの豆腐ごときに、愚妻がそんなめんどくさい処置を施してくれるというのは、限りなく想像し難い事態であり、そもそもこの試み自体が机上の空論でしかあり得ないというのが最終的な事実となる可能性が非常に高いことをお断りしておかねばなるまい。
また、「そんなめんどくさいことするくらいなら、外に出しときゃいいじゃない」というのが、実は最も理性的な判断である可能性も否めない。