冷や奴と肉じゃが


4時間ほど残業して帰宅。
今日の夕食は、冷や奴と肉じゃがとドリアであった。
この日独伊3国同盟のような按配は、このメニューが、朝や昼や昨日の残り物で構成されているからに他ならない。
肉じゃがにはもともと人参も入っていたらしいが、娘は常に人参だけを掘り返して食う習性があるため、ぼくが帰宅する頃には全て食い尽くされている。
息子に豚肉を全て食い尽くされて、もやしとニラだけになった炒め物、といった類も、馴染みのメニューだ。


もう慣れているので、動揺することもない。
このような場合、酒類は何をもってくればいいのかというのも難問だが、正解は「何を持ってきても同じ」であるので、たいていは「とりあえずビール」ということになる。
昨夜は客人があったので、開いた赤ワインもあったのだけれども、昨夜の痛飲の後遺症が少しあり、控えた。


冷や奴は、冷えすぎであった。
うちは貧しいが、豆腐はいいものを買う。
今日のも比較的いい豆腐だ。
しかし、冷えすぎの冷や奴はよろしくない。


飲み物でも食べ物でも、冷えすぎたものが好きではない。
前にも書いたけれども、ビールもちょっと生ぬるいくらいが美味しいと思う。
冷や奴も然りで、冷えすぎているくらいなら常温のがずっとましだ。
その方が味がいいように思うのだけども、どうでしょう。


豆腐は、スーパーで買ってきた未開封のままだと、冷蔵庫に入れておいてもさほど冷えすぎることはない。
でも、いったん開封して、半丁だけ食べて、開封した状態でまた冷蔵庫に突っ込んでおくと、どうも冷えすぎるようである。
何故なのかはよく知らない。
とにかく、豆腐は開けたら食べきる方がいいように思う。


肉じゃがは温めすぎであった。
電子レンジで温めすぎたものというのは、何でも独特の味気なさがあると思うのだけれども、どうだろう。
同じように熱しすぎても、ちゃんと火にかけて温めたものと、電子レンジで温めたものでは、味が違う。
電子レンジのは、なんちゅうか、味も匂いもなくなってしまうような感じがする。
そう言えば、かつての同僚で、電子レンジは一切使わないっていう人がいた。
電磁波がどうのこうのと言っていたように思う。
まあ、そこまですることもないとは思うけれども。


熱すぎるものが嫌だ、というようなことも、前に書いたんだったか。
味噌汁なんかでも、なまぬるくなったやつが好きだ。って、書いたな、確か。
その方が、美味しいと思います、絶対。


このようなことを書くと、なんとまあいちいちうるさい奴だ、とか、文句言わずに黙って食え、とか言われそうだけれども、もちろんこういうことを口や表情に出すわけではない。
豆腐が冷えすぎることを避ける方策はちょっと思い浮かばないし、1人分だけ残った肉じゃがを、電子レンジがあるにも関わらず鍋に戻して火にかけるというような手間を、自分にも他人にも強いる気はない。
単に、こんなふうなことをぼんやり考えながら、冷や奴とドリアを、ビールの仲介によりいかにつなぐべきかという難題に、全力で立ち向かうのみである。