イースター島の謎(1)

モアイです



イースター島へ行ったのは、今から8年前。新婚旅行において、だった。
イースター島と言えば、もちろんモアイ。世界の七不思議のひとつに数えられる、謎の遺跡だ。
しかし、実際にイースターに足を運んでみると、不思議なのはモアイ像だけではないということがわかる。
何ちゅうか、もう島全体が、謎のかたまりなのだ。


日本からイースターへ行くには、タヒチ経由かチリ経由しかない。たぶん。8年前はそうだった。
イースターの前に、そもそもタヒチやチリに行くのが大変だ。
て言うか、チリ経由で行く人はほとんどいないだろう。
日本からのイースター訪問者の大多数は、タヒチ観光のオプション的な位置づけで乗り込む人々ではないかと思われる。
実際、我々もそうだった。


新婚旅行は南国リゾートがよいと最初から決めていた。
そして、こういう機会でもなければ滅多に行けないようなところをと物色した結果、タヒチが浮上した。
タヒチは、南国リゾートとして、とにかく最強である。
しかしツアー料金も高い。
物価も高い。
この機会を逃したら、一生行けないかもしれない。
よし、決めた。タヒチにしよう。


そうしてタヒチの資料を集め始めたところ、ある旅行業者のツアーパンフに、「タヒチイースター」というプランを発見する。
ぼくの目は瞬時にそのプランに釘付けになり、以後、頭から離れなくなってしまった。
しかし、値段は1人70万を超えている。
いくら何でもそれは無理だ。
いや、でも行きたい。
見つけてしまった以上、どうしても行きたい。
モアイをこの目で是非とも見たい。
どうにかならないものか。


1人で行くなら、安宿を利用する等、何とでもできるだろう。
しかし、いちおう新婚旅行だ。
宿にもそれなりのゴージャスさが要求される。
タヒチと言えば水上コテージ。
タヒチがメインなんだから、状況的にそっちもないがしろにはできない。
そこのレベルをキープしたまま、イースターを加えなければならない。


詳しいことは忘れたけれども、とにかく探した。
格安系の、タヒチとかを専門にやってる系の、個人で経営してる系の、なんだかちょっと胡散臭い系の、東京の小さな代理店。
そこで見つけた、9泊10日、タヒチイースタータヒチボラボラ島の水上コテージ、イースターには2泊3日、もちろん添乗員などはいない、チケットもらったらあとはほったらかしの、一応新婚旅行風のツアー。
40万円台の半ばだったと思う。
それでもちょっと予算オーバーであったが、これくらいなら行くしかない。
幸い愚妻は海外経験がほとんどなく、まるで事情がわかっていないので、とにかく任せると言っている。
決定。行くぞ、イースター


最初の4日間は、タヒチボラボラ島にて、南国リゾート。
詳述は避けますが、やはりタヒチは最強のリゾートであったと申し上げておきましょう。


そしていよいよ5日目、深夜にタヒチパペーテを出発し、ラン・チリ航空にてイースター島へ向かう。
最も近い島までが(たしか)3000kmという、まさに絶海の孤島。
事前に本を1冊読み切り、下調べは万全。
特にモアイの謎については好奇心がピークに達した状態での上陸となった。
早く見たい。モアイを見たい。
わくわくしながらイースター島に降り立ったのは、ちょうど正午頃だったと記憶している。


(つづく)