ガキ地獄


この春小学校に入った息子は、1学期の間ずっと、学校から帰っても友だちと遊ぶということがまるでなく、友だちがいないんじゃないかと心配していたのだけれども、2学期になった途端、毎日家に同級生が来るようになった。
最初のうちは、おお、やっと友だちが出来たかと安心したが、正に連日、1日も休むことなく小汚いガキどもに家を荒らされるようになり、近頃では土日まで押しかけてくるに至って、逆に静かだった1学期の頃が恋しく思えてきた。


どうもうちが遊びの拠点になっているらしく、遊ぶ当てがないと、とりあえずうちに来てみるという考え方で行動している奴が、4〜5人はいる。
ちょっと早めに仕事から帰ると、うちの息子はいないのに、よその子どもがこたつで宿題してたり、3歳の娘と遊んでたり、愚妻におにぎり作らせて食べてたりする。
うちに入ってくると、「お腹減った」などとぬかして、何はともあれまず台所へ向かう奴もいる。
て言うか、腹が減るととりあえずうちに来てみるという考え方で行動している奴が、3人くらいいる。
私設学童保育か、うちは(しかも無料)。


昨日と一昨日は熱出して寝込んでたけれども、ガキにはもちろん気遣いなどない。
どやどや遊びに来てぎゃーぎゃー騒ぎまくり、やっとみんなで外へ行った様子だったので、しばらくしてから部屋から出たら、見たこともないガキが1人、玄関で靴を脱いでいた。
何故だ。うちのマンションの入り口は一応オートロックなのに、何故みんなそんなに自由に出入りできるのだ。


今日は6人が遊びに来て、おにぎり20個をたいらげた後、壮絶な殴り合いが始まり、めでたく5時に解散となったという。
一度、あまりに無茶な遊びばかりするので、愚妻が怒って全員を外に出したことがあるらしいのだけれども、後で聞くと、うちを追い出されたガキどもは、その後、あろうことかマンション階上の中年夫婦(子なし)宅へ押しかけ、部屋にあがりこんでおやつを食っていたという。
以後、無闇に追い出すわけにもいかなくなった。


うちは、ドーナツ化する地方都市の、まさにドーナツの穴の真ん中にあって、校区内では子どもの数もずいぶんと減っている。
昔ながらの名家みたいなのも割と残っているけれども、富裕層は郊外の小綺麗な新興住宅地に集中していて、ドーナツの穴の中は、むしろ商売人の子どもとか、ブルーカラーが多いらしい。
聞いてみると、うちに来るガキどもも、美容師の子どもとか大工の子どもとかばかりである。
だから、土日も親が仕事で、ヒマを持てあましている。
油断していると、大工の子が朝8時半から遊びに来ていて、寝ぼけ眼で居間へ起きて行くと既に何か食ってたりする。


せめて週末、家庭の平和を如何に守るかが、喫緊の課題である。