燗酒、焼酎お湯割り


ここ1週間くらいで急に寒くなったけれども、例年ならまだまだビールを飲んでいる時期だ。
まずビールを一缶飲んでから、他の酒に移行する習わしである。


今年は、尿酸値のこともあって、なるべくビールを控えようというテーマなので、寒いんだからもうビールじゃなくてもよかろうと考えて、最初から他の酒類で入る訓練をしている。
最近はどうも脂っこいものが食べたくなくなってきて、体重を減らそうと努力している愚妻との利害関係も一致したもんだから、日々の食卓が和系にひどく偏っている。
肉がほとんど出ない。
娘はキュウリとキャベツとセロリばかり食っている。
もっとも、これは単に家計の逼迫の反映かもしれん。
とにかく、そういう風なので、食卓に並ぶものを見ていると、日本酒や焼酎が飲みたくなることが多い。
これを機に、ビールをやめて、日本酒か焼酎で始めることにしよう。
かえって体に悪い気もするが。


うちの近所に、なかなか優秀な酒屋があって、日本酒も焼酎もワインも頑張っているけれども、どれかと言うと特に日本酒が充実している。
金さえ出せばいくらでも美味しいものはあるだろうけれども、必要なのは常用の酒である。
日本酒も焼酎も、いずれも一升瓶で2000円程度でおさめねばなるまい。
店主に相談してみることにした。


日本酒は、燗で飲みたい。
寒い時期に飲むんだから、燗がいい。
だいたい、冷やや常温だと、いくらでも飲んでしまって、あとでふらふらする。
安くて旨い燗酒というのは難しいのではないか、と思いながらも聞いてみたら、意外や割と簡単に「あります」と言う。
勧められたのは、新潟の「緑川」という酒。
燗で飲むように作られているとのことで、仕込み方から説明を受けたが、あんまりよく理解できなかった。
一升瓶で1700円。
安い。


早速買って帰って試したところ、なるほど、常温で飲むと美味しくない。
トゲトゲしている。
しかし、燗で飲むと、ほほう、なるほど、そういうことか、と納得する。
安い酒を燗したときの嫌なアルコール臭がなく、熱いのに淡麗ですっきりしている。
気に入った。
今年の冬はこれで行こう。


東北の方は、酒が美味しいところが多いけれども、やっぱり寒いから、冬は熱燗を飲みたい。
そういう需要があるから、こういう燗専用の酒が結構あるのだと言う。
なるほど、納得。


近頃は吟醸酒ばかりがもてはやされて、日本酒というと冷やや常温で飲むものだという雰囲気が強いけれども、寒いときはやっぱり熱燗がいいやね。
これはなかなかいいものを見つけた。


焼酎は、お湯で割ったら何でも同じ、という程度の味覚しかたぶん持っていないので、別に甲類だって何だっていいんだけど、せっかくなので、勧められた鹿児島の芋焼酎を購入。
これも飲んでみると、なるほど、芋なのにさっぱりしてて、さすがにその辺のスーパーで売ってるようなものとは違う。


ちょっと日本酒や焼酎を飲むのが楽しくなって、これで夕食時にビールを飲まずにすんでいるんだけれども、ちょっと油断すると、今度は風呂上がりにビールを飲みたくなってしまう。
やっぱりときどきはビールで始める日も入れなければいけないと思って、今日はビールも買っておいた。