写真

これはCOOLPIXで



週末は、子どもを連れて奥飛騨温泉郷のペンションへ。
土曜日は絶好の天気で、早朝に出たから渋滞にもハマらず、山の景色を存分に満喫できた。
山はいい。
おぼれないからいい。
海はちょっとやだ。
おぼれるかもしれないからだ。


新穂高ロープウェイに昼前着。
雲ひとつなく、風もない。
冠雪した山々が全部くっきり見える。
紅葉は、高山の辺りから真っ盛りで、道中非常に素晴らしかったけれども、ロープウェイの高さまで来ると、もう山は黒っぽくなっている。
それでも、いちばん下の乗り場から山を見上げると、ふもとの辺りは黄色や赤やオレンジの極彩色で、中腹は緑や黒、山頂は雪で白くなってて、その上に真っ青な空が広がる。
その4層のコントラストがたいへんに美しくフォトジェニックであって、カメラ好きの血が騒いだ。
写真教室の老人みたいに自然の景色だけ撮影してるのは退屈だけれども、子連れだと、被写体に事欠かない。


ぼくは写真が上手い。
あくまでも我流なので、作品として芸術写真を撮るようなノウハウや技術は全然持っていないけれども、スナップ写真程度なら、かなり上手い。
これは、謙遜でも自惚れでもなく、客観的事実としてそのように判断している。
その状況におけるベストの構図を瞬時に判断する能力などは、正に見事と言うほかない。


ただ、最近は、デジカメの隆盛で、なんだか写真撮るのもややこしくて面倒になってきた。
デジタル、銀塩合わせて、5台ほどカメラを持っているのだけれども、頻繁に使うのは、デジタル2台と銀塩1台である。
それぞれを用途によって使い分ける。


比較的どうでもいいとき、カメラ持ってくか持ってかないか、迷うような程度の時は、ポケットに入るコンパクトなデジカメ、コニカミノルタDIMAGE X20 というのを使う。最近の機種はもっともっとコンパクトだけど、この X20 は名機だと思っている。
で、ちょっと気合い入ってるけども、重いカメラを持ち歩くのは嫌だ、という気分のときは、比較的小さくて、もっと能力の高いデジカメ、ニコンの COOLPIX5000 を持っていく。このタイプのデジカメって最近はもうないから、銀塩とよく間違われるけど。


しっかりと写真を撮ろうという目的がある場合になってやっと、銀塩カメラ、永年の愛機ニコンF3を持ち出すことになる。
F3のレンズは、単焦点しか使わない。
ズームを使うのなら、もはや COOLPIX で十分だ。
使用レンズは、標準の50mmと、超広角20mm の2本がほとんど。
しかも、50mmよりも20mmの方をよく使う。
広角マニアなのだ。
28mmくらいまでならともかく、20mmを常用レンズにしている人間をいまだかつて見たことがないので、おそらく常識はずれなのだろうけれども、気にしていない。
なぜ 20mm がそんなにいいかということについては、書き出すと長いので割愛します。


それで、何が面倒かというと、まずこのデジタルとアナログの使い分けがめんどくさい。
結果的には、気軽なデジタルの頻度がぐっと増えて、銀塩写真を撮る機会がめっきり減った。
さらに、撮った写真を整理するのが、もう殺人的にめんどくさい。


今回の旅行なんかは気合い入ってるから、カメラ3台とも持って行ってる。
帰ってくると、X20、COOLPIX、F3のそれぞれに写真が収まっている。
しかもそれを、息子のアルバム分と娘のアルバム分に分けてプリントせねばならない。
性分として、やるからにはきっちりやらないと気が収まらない。


F3の銀塩フィルムは、当然プリントに出す。
ほんとは現像だけしてもらって、よく撮れてるのだけプリントすれば経済的なのだけども、面倒だから同時プリント。
で、いい写真は息子用と娘用が要るし、子どもの友達が写ってたりもするから、必ず焼き増しも必要になる。
つまらない写真は没テイクとなるが、アルバムに貼る際、全体のバランスを整えたり、ページ単位で構成を組み立てるときに必要となることがあるので、とりあえず全て残しておく。


デジタルは、まずPCに落とす。
デジカメのいけないところは、とにかく安易にシャッターを切りまくってしまうところであって、くだらない写真が山のようにある。
その中から、アルバムに採用するものだけをピックアップし、写真屋でプリントする。
なんせ量が多いから、選ぶだけでめんどくさい。
そもそも電子データとして残るんだから、どこまでプリントすべきなのかという問題もある。
余程いいやつだけでいいよな、と思うんだけれども、その線引きが難しい。
かえって迷うから、余計に時間がかかる。
しかも、子ども2人分だし、よその子のプリントもせねばなるまい。


また、逆に、うちの子の写った写真をよそからもらうこともあるわけで、そうすると、下手すりゃ同じ日付の写真が3種類のカメラから出てきて、さらに人にもらったりもすることになる。
とてもじゃないが、整理する気が失せる。
だから、うちのアルバム整理は、もう1年以上ストップしたままだ。


デジカメをやめれば、話は一気にすっきりする。
そもそも、質が全然違う。
スナップサイズなら、確かにデジタルでもそれなりの品質にはなるけれども、銀塩と比べると、差は明らかだ。
もちろん、ぼくがデジタル一眼レフを持ってないからかもしれないけど。
いや、それでもやっぱり違うと思うな、プリントすると。


カメラもオーディオも、アナログはどんどん淘汰されていくようで、さみしい限り。
テレビもあと何年かでデジタルにしなきゃなんないらしいけど、あれはどうなのかね。