銭湯


昨夜、ガス給湯器が壊れた。
寿命10年と聞いてて、もう15年以上使ってるんだから、まあしょうがない。
ガス屋に見てもらったら、もう修理不能とのことで、新調するしかないらしいのだけれども、夜になってファックスで届いた見積もりを見ると、えらいことになっている。
うーむ。払えるのか、こんなに。


途方に暮れながら、今日は子どもを連れて銭湯へ。
昔は要所要所に銭湯があったのだけれども、今ではもう行く気になる距離には2軒しか残ってなくて、それも、歩くには遠すぎるし、自転車だと湯冷めしそうなので、車で出かけた。
近年流行りのスーパー銭湯みたいなのがあればいいんだけど、そういうのもない。


いくぶん楽しみにしながら出かけたのだけれども、行ってみると、うらぶれた、という表現が正にぴったりの銭湯で、何となく暗い気分になる。
昔ながらの佇まいであれば、それなりに風情もあろう。
そうではなくて、中途半端に新しくて、電気風呂だの水風呂だの薬湯だのサウナだの、いろいろあるにもかかわらず、どれも薄汚れてて、電気風呂なんてちっともビリビリしてなくて、サウナなんか開かずの間なってる感じで、何より閑散としてて、こんな地方都市にも風呂のないアパートとかがやっぱりあるのか、いかにも「負け組」って感じのおっさんや老人がぽつりぽつりといるだけで、その場の空気を吸っているだけで病んできそうになる。


息子は家のぬるま湯になれているので、銭湯の熱い湯にはちっとも入れず、ずーっと水風呂ではしゃいでいる。
湯からあがって脱衣場で服を着せていると、負け組のおっさんとじいさんに話しかけられて、しばらく話し込む。


子どもはこれくらいのときがいちばんかわいい、大きくなったら苦労ばかりだ、等と、よく聞く話だけれども、同じ話でも同僚とかから聞くよりも響きがリアルでおもしろい。
別れ際におっさんが、「それでも家に子どもがいるうちは、何でも子どものことばかりで、子どものことが全部で、だけど、それがいいんだ」というようなことを言った。
おっさん、なかなかいいことを言う。