栗の花


天気がよくて、新緑がきれいで、非常にすがすがしい。
ここ数日は例年になく気温が低いらしいけど、昔は(20年くらい前は)、5月って、こんなもんじゃなっかったっけかと思う。


自転車での通勤経路で、新緑の、むせかえるような強い匂いがするポイントがいくつかあって、あの強烈な匂いはきっと栗の花じゃないかと思うんだけども、周辺に栗の木があるようにも思えない。いったい何の匂いなんだろう。
こういう強い匂いをかぐのはもう何年もなかったような気がするけども、それはスギの花粉も異常に多かったらしい今年の気候の影響なのか、それとも単に自分が自転車通勤になって改めて気づいただけなのか。


お昼休みは、よりこさんが主催する「お散歩クラブ」に誘われて初参加。
1時間の休みに、パン買って、歩いて、パン食べて、歩いて戻ってくるのだから、ちょっと忙しいけれども、充実した。
美術館のレストランのテラス(今日は休館日)で食べて、その裏道を歩いて戻る。
この周辺は高校時代に頻繁に通った場所で、美術館の裏手には、よく学校をさぼって昼寝たり読書したりした大きな公園がある。
だから、近辺はよく知っていたつもりだけれども、その美術館と公園の間に、全く知らなかった秘密の抜け道があって、そこが「お散歩クラブ」の定期コースなのだと教わり、非常に得をした気分になった。
その秘密の抜け道でも、やっぱり栗の花のような強い匂いがした。


お散歩して仕事に戻ったら、なかなかやる気が出ずにペースがすっかり落ちて、4時間近い残業になった。
残業して疲れれば疲れるほど、帰りの家路は気持ちがいい。
まだ少し肌寒いような、今くらいの季節は特にいい。
川沿いを自転車で走るとき、土手に沿って並んでいるオレンジ色の街灯の連なりが川面にも映って、さらに、ここひと月半のパソコン仕事の連続で急激に悪化した乱視のせいでそれがさらに何重にも見えて、とてもきれいに見える。
ここを走っていると、いつもフェアグラウンド・アトラクション「moon on the rain」の、♪The lights on the embankment like jewels on chains 〜 というフレーズが頭に浮かぶ。
昼間は田舎がいいけれども、夜は都会、と言うか、こういう郊外っぽいところが好きだ。電気のある時代に生まれてよかった。
橋を渡って坂を下ったところが、ものすごい栗の花の匂いがするポイントで、夜になってもやっぱりおんなじように匂っている。