吾妻ひでお『失踪日記』を読む


吾妻ひでおに特別な思い入れはないけれども、小学生の頃、少年チャンピオンは読んでいたから、『ふたりと5人』くらいは読んでいる。
その後も、実験的な作風や、不条理、シュール系のラジカルな作品をときどき目にしていて、作品によっては、非常に好きなものもあったように思う。
近頃では、ロリコン漫画の始祖、みたいなことになってるようだけれども、その辺はぼくにはよくわからない。そんな風にはあまり思えないんだけど、そうなんだろうか。
いや、こういう世界は奥が深いんだろうから、下手なことは申せませんが。


その辺のことは、講談社現代新書『教養としての〈マンガ・アニメ〉』で大塚英志が詳しく書いていたように思ったので探してみたんだけど、今、部屋がぐちゃぐちゃで、どうしても見つかりません。
この本は実に面白い本なんだけれども、吾妻ひでおの章にだけ不自然に気合い入ってて、そこだけちょっと引いた記憶があります(笑)。


で、『失踪日記』は必読だ、と勧められて購入。
今日の昼に買って、一気に読み終えた。
すさまじくおもしろい。
て言うか、もう大丈夫なのか、吾妻ひでお
続編、すごく読みたいけど、描けんのかな。
ほんとにもう飲んでないのかな。


アル中編。内容的には「やっぱりアル中は恐ろしい」って再認識を促されるような悲惨な話なのに、不思議と読んでるとビール飲みたくなってきて、実際に飲んでしまった(笑)。
そういうタッチで描かれているところがすごいのかもしんない。


これを読んでて、不条理やってる頃の作品を収録した雑誌「別冊奇想天外SFマンガ大全集」が1冊どこかにあったはずなので、読み直してみようと思って探したんだけど、今、部屋がぐちゃぐちゃでどうしても見つかりません。


マンガ家が壊れやすいのは、なんとなく想像はつく。
週刊連載だったら、それだけで365日ずーっとかかりっきりだろうし、そういう連載を何本も抱えだしたら、24時間常に締切のプレッシャーにさらされ続けるんだと思う。
しかも、ずっと室内で悶々としながら、例えば「マカロニほうれん荘」みたいなマンガのことばっかり1年中考えてたら、どうかしてくるのは当たり前だ。
どうかしてる世界のことをひたすら真剣に考えて創り出そうとしてるわけだから、例えば社会派のマンガ家とかよりもギャグマンガ家の方が、明らかに不安定になりやすい。


それで、そう言えばしばらく前に話題になった『消えたマンガ家』とかいう本がどこかにあったはずだと思って探してみたんだけど、今、部屋がぐちゃぐちゃで、どうしても見つかりませんでした。