朝青龍


昨夜から我が家に滞在中の「3」は、予想どおり、朝5時から起き出した息子の相手を一手に引き受け、いっしょに「怪傑ゾロリ」や「マジレンジャー」を観た後、朝食後には、洗い物、掃除機がけまでフル回転で活躍した。本当に便利なやつだ。できれば毎日うちにいてもらいたい。


午後、「3」を実家に送り届けた後、夕方にうちの実家へ。
今日は大相撲五月場所の初日で、久しぶりにテレビ観戦する。


ぼくが大相撲をいちばん熱心に観ていたのは、高校〜大学生の頃で、当時は千代の富士の全盛期だった。
後に八百長の噂なども週刊誌で賑わったけれども、当時の千代の富士は圧巻だった。何より、あの表情、立ち居振る舞いにしびれた。寺尾や北勝海といった秀逸なサブキャラも揃っていた。
千代の富士の引退後は急に面白くなくなって、次第に中継や「大相撲ダイジェスト」を観る習慣がなくなり、近頃では、偶然目にしたときに観る程度になっている。
若貴とかは、どうしても好きになれなかった。


で、ずいぶん久しぶりに、中継を1時間以上に渡って観たけれども、いやいや、なかなか面白いかもしれない、今の大相撲。
いい相撲取り、多いじゃないの。


朝青龍が非常にいいのは、少し前から気づいていた。
一時期噴出したゴシップばかり読んでると嫌なヤツに思えるけれども、相撲を見れば、全て許す。
あの気の荒い感じが抜群にいい。きつい表情、荒っぽい身のこなしが素晴らしい。往年の千代の富士を彷彿とさせる。体つきも似てる気がする。見てるとわくわくする。あれでまだ24歳だっちゅうのもすごい。


相撲取りは、一般に、強すぎると嫌われる傾向にあるようで、朝青龍の場合はさらに、外人力士ということで、年配が多い相撲ファンの間では、敵役のようになっている気配だ。
今日、横で見てたうちの親父も、「百回やっても勝てんわ」とか言いながらも、対戦相手の琴光喜を応援していたし、懸賞の束を見ては、「誰がこんなやつに懸賞出すんだ」との暴言も出た(笑)。
ぼくが子どもの頃なんかだと、北の湖なんかもかなり嫌われてたように思う。
千代の富士は、ルックスがよかったからファンも多かったけど、アンチも多かった。


でも、ぼくは、こと相撲に関しては、そういう「強い嫌われ者」が一貫して好きだ。
理由はわからない。
他のスポーツだと、たいていは弱者の味方になることが多いんだけれども。
あ、団体競技は弱者に味方するけれども、個人技はとにかく何でも強いのが好き、ということかもしれない。と今思った。


世間は打倒朝青龍の雰囲気だけれども、ぼくは内心、このまましばらくは勝ち続けてもらいたいと思っている。