Donny Hathaway『These Songs For You, Live!』を聴く


やっと買った。2004年のマストアイテム。


訳あってアナログ盤の再生環境を一時的に撤去しているので、アナログで所持しているレコードは普段聴けなくなってしまっている。一時的に撤去しただけのつもりだけれども、今のところ、よほど広い家に引っ越しでもしない限り復旧できる見込みはないので、どうしても聴きたくなったものはCDで買い直したりもするが、なんかもったいない気がして躊躇してしまうことが多い。再生環境を復旧さえすれば、アナログの方が音もいいのに……とか。
ダニー・ハザウェイ(ドニー・ハサウェイ?)の『Live』はアナログ所持であって、常々聴きたいと思いながらなかなかCDで買い直すに至らなかったところだったので、この『These ……』は、二重の意味でありがたい。『Live』の重要なポイントも再録されている。


『Live』からの再録が4曲、『In Performance』からが3曲、残り6曲が未発表、それにインタビューが少々という内容で、録音は、『Live』『In Performance』でおなじみ71年のハリウッドとニューヨークがそれぞれ7曲と2曲、あとは72年UCLAが1曲、73年カーネギーホールが3曲。


まず冒頭の未発表カーネギーホールの3曲で感涙。演奏完璧、洗練の極み。純粋に演奏の良さで言ったら、この3曲がベストトラックか。3曲目の「Someday We'll All Be Free」は最初の数十秒にかなりノイズが乗っかってるけれども、それでも敢えて収録した気持ち、よくわかります。生ピアノが非常に美しく録れてます。
しかし、やっぱり白眉は、何と言っても71年ハリウッドものでしょう。どんなレコ評にも必ず書いてあることだけど、この熱気、このムードに勝るものはない。あらためてCDで聴き直すと結構しゃーしゃーとノイズが入ってるんだけれども、とにかく録音がよくて、何て言うか、会場全体の空気感みたいなものがばっちり録れてる。それは、単に客の反応がいい感じでたくさん入ってるっていうだけじゃなくて、例えばスネアの反響の仕方とかでステージの広さとか壁までの距離とかまでが一瞬さっと頭に浮かぶような、そういう、ハコの熱気まるごと録れてる感じがたまらない。6曲目「What's Going On」とか、よく聴いてみてください。ステージの上でメンバーの間に立っていっしょに演奏聴いてるような気分になります。


……と書いてたら、いきなりディスクを落として傷つけてしまった。「Someday We'll All Be Free」で音飛び発生。うーむ、よりによって肝心なところで。買い直し、か……?