アル・スチュワート、デューク・エリントン


アマゾン見てたら、980円セールというのをやっていて、久しぶりにCD購入。こういうバーゲンに弱いんです。
よくレンタル屋なんかでレンタル落ちのCDを1枚50円とか100円とかでワゴンに入れて売ってたりするけど、ああいうの見つけると、食らいついてしまいます。50円や100円ならタダみたいなもんだから、買っても買わなくても同じだ、同じならいちおう買っとくだろ、みたいな論理になっちゃって、目に止まったものを片っ端から買ってしまう。結果、家にクズCDがあふれることになります。クズってわかってても、100円ならとりあえず買っちゃうんだよな。
980円セールなんていうのも似たようなもので、経験的に、こういう場を与えられると購入を決定する基準が極めて低く設定されてしまうので、気をつけないといけないことはわかっている。特に今は家計が大変厳しい忍耐の時期だ。でも、こういう安売りの時こそ、チョイスは冒険しなければなりません。いいに決まってるモノは、高くても買いますから。じっくり吟味して選びました。遠慮して、2枚だけ厳選。しみったれた話ですいません。


まず1枚。アル・スチュワートの『Year of the Cat』('76)。
アル・スチュワートって、今までのぼくの音楽履歴の中で死角のようになっていて、まともに聴いたことなかったんですが、これは傑作だとの触れ込みに心動かされて購入。プロデュースはアラン・パーソンズで、そっちのマニアの方々の間でもマストらしい、という情報が強力な後押しとなりました。
で、聴いてみましたところ…………おお、確かに傑作です。1曲目を聴いた段階では、相当に盛り上がりました。が、全体通して聴きますと、やっぱ半分くらいは曲調が古くなってまして、だんだん冷静になるです。しかし、これは成功。しばらくはローテーション入り。アル・スチュワートって、こんなAORだったのか。アル・スチュワートには、もっとブリティッシュ・フォーク的なイメージがあって、ブリティッシュ・フォークにはあまりいい想いをさせてもらった経験がないので、それで何となく避けてたような気がします。て言うか、これはやっぱりアラン・パーソンズが偉いのかもしれません。ちょっと次はアラン・パーソンズを探求してみようという気になりました。


もう1枚は、デューク・エリントン『Money Jungle』('62)。
これも冒険。ジャズはよくわからないから、いつも当てずっぽうで、常に冒険です。これはオーケストラじゃなくて、ピアノ・トリオ。ベースがチャールズ・ミンガス、ドラムがマックス・ローチ。早速聴いてみましょう……
おお、すげえ、大当たり。めちゃくちゃかっこいいです、デューク・エリントン。荒い、激しい。走るわ突っ込むわ、がっつんがっつん叩いてる感じ。速いフレーズなんて弾けません。気合いです、気合い。これぞ男のピアノ・トリオ。ものすごくわかりやすい(笑)。エリントン、このとき何歳? ミンガスも、これでもかとばかりにゴリゴリ弾きまくって応酬。熱いながらも冷静で正確なマックス・ローチ。理想的です。こういうパターン、大好き。バンドって、1人冷静なヤツがいればだいたいOKで、あとはいっちゃってる方がいいんです。ミンガスが例の怖い顔して黙々と鬼気迫る感じで弾いてて、それに輪をかけてこわモテのエリントンが鍵盤をぶっ叩く。これ、映像で見たいなあ。
て言うか、そもそも曲がいいんですね、エリントンの。テーマ部分ですでにメーター振り切れてます。


こういうのが980円で買えるんですから、まだまだ世の中捨てたもんじゃないと思いました。